雨の日のお出かけはちょっと憂鬱。でも雨の日の楽しみ方もあります。
ネットで検索すると、雨の日の京都・詩仙堂が素晴らしいとのこと。せっかくなのでちょっと足を延ばして行ってきました。
京都へ行くなら、おけいはん。ということで京阪電車のプレミアムカーも乗車、体験してきましたよ。
京阪電車・プレミアムカー乗車記
京都へ行く用事があったのですが、あいにくその日は雨。雨の京都も楽しめないかと検索すると、目的地からさほど遠くないところにある詩仙堂が素晴らしいとのこと。
雨の日のお出かけはテンションが上がりにくいのですが、一気に楽しみになりました。
いつもならJRで向かうところですが、詩仙堂へのアクセスを考えると京阪電車がベスト。そこで京阪特急に連結されているプレミアムカーを体験することにしました。
京阪電車・プレミアムカーとは
京阪電車で最も速達性があるのが特急。通常は追加料金無く乗車できる列車です。2017年8月にデビューしたプレミアムカーは、京阪特急に1両だけ連結され、全席座席指定で必ず着席できる安心の車両になります。
プレミアムカー料金は400円または500円。今回は京橋から出町柳まで乗車したので500円でした。
プレミアムカーの乗車位置は決まっており、ホームにもわかりやすく表示されています。
プレミアムカー券は、特急停車駅のインフォメーションで購入できるほか、予約専用サイト「プレミアムカークラブ」でも購入できます。「プレミアムカークラブ」での購入なら、クレジットカード決済でらくらく購入でき、座席指定も自由に行え、乗車直前まで購入できるので大変便利です。
京阪電車・プレミアムカーに乗車
ホームで待っていると、特急電車が入線してきました。
京阪特急は通勤型のロングシートとは異なり、クロスシートを採用。京都への所要時間はJRの新快速に劣るものの、快適さは負けていません。
プレミアムカーは、通常は4列シートのところを3列とし、快適性をアップ。500円を支払うことで確実に座れるようしました。
いよいよプレミアムカーに乗車します。プレミアムカーには専任アテンダントが乗務しており、乗車時、降車時にはお出迎え、お見送りがあります。
3列シートの余裕ある車内。新幹線で言うところのグリーン車ですね。グリーン車よりもずっとリーズナブルに利用できるのがうれしいところ。
座席の前後には余裕があり、短い足を組んでも前には当たりません。
前の座席背面にはドリンクホルダーと、大き目テーブルを装備。テーブルの上でお弁当を広げてもよし、ノートパソコンを置いて仕事をしてもよし、となっています。無料でWiFiも利用できるのがうれしいところ。
早朝の出発ということもあり、車内は2~3割程度の乗車率。検札のようなものはなく、乗車時に予約したスマホ画面を見せればOK。予約状況はアテンダントさんも把握しているようで、予約画面を見せなくても、予約した席に座っていれば恐らく何も言われることは無いと思われます。
雨なので車窓はあまり楽しめませんでしたが、実に静かで快適な空間です。
アテンダントさんが車内誌を配っておられたのでいただきました。対応がとても丁寧で、特別な研修を受けられた、というのも納得。たぶん、駅にも設置してある広報誌なんでしょうけど、車内でアテンダントさんから丁寧にいただくとありがたく感じます。
途中停車駅からもプレミアムカーに乗車する人が多かったのが意外。あっという間の京都到着でした。
座って行けるのが何より快適。京都は日本を代表する観光地なのでアクセスも混んでいますが、京阪特急プレミアムカーなら到着までに疲弊することはありません。京阪電車の利点は京都北部、東部へのアクセスがしやすいということ。JRで京都に到着しても、地下鉄やバスに乗り換えなければいけませんが、京阪電車なら三条や四条、祇園へダイレクトアクセスが可能です。
関西の人は、私鉄のことを○○電車、と呼びます。京阪電車、阪急電車、南海電車。ちなみに京阪電車の正式な社名は「京阪電気鉄道株式会社」。でも京阪自身も、ホームページや広報誌、駅の案内板などに、京阪電車と名乗っているのがおもしろいですね。
出町柳から叡山電車に乗車
京阪特急の終点、出町柳駅からは叡山電車(本当は叡山電鉄)に乗り換えて詩仙堂の最寄り駅、一乗寺を目指します。
叡山電車のターミナル?出町柳駅
叡山電車は出町柳駅を起点に、鞍馬・貴船を結ぶ路線と、途中で枝分かれして八瀬比叡山口を結ぶ路線を運行しています。運行形態はとてもシンプル。2両編成の鞍馬行きと、1両編成の八瀬比叡山口行きがほぼ交互に出発。どちらもワンマン運転ですが、その分頻繁に出発しており、昼間でもほぼ10分間隔となっています。
なぜか関西私鉄の広報誌がずらりと並んでいます。
せっかくなのでいただきました。
大阪モノレールの広報誌をなぜか京都出町柳駅でゲット。特集はリニューアルした伊丹空港ターミナルについて。陸マイラーならそそられる記事です。
車内は運賃箱も設置されている、バスのような印象。PiTaPaも利用できるので、交通系電子マネーなら何を使っても乗車できます。
ガタゴト揺られて5分ほどで一乗寺に到着。ちょっとあっけないですね。
叡山電車・観光列車ひえい
叡山電車といえば、2018年春にデビューした観光列車ひえいが注目の的。お濃茶のような濃いグリーンの車体に、独特の前面形状。せっかくなので列車到着を待つことに。乗ってもよかったのですが、混んでいるであろうことと、乗ってしまうと外観が見えませんから。
遠くからでも、ひえいの形状は目立ちます。
すーっと一乗寺駅に滑り込んだひえい。やはり車内は混雑していました。しかしこの楕円のデザインはかなり思い切っていますね。
詩仙堂へ行く前に宮本武蔵ゆかりの八大神社
一乗寺から詩仙堂へは、駅前の道を真っすぐ進みます。普段ならうっとうしく思う雨も、詩仙堂の景色をどんな風に彩ってくれるのかを考えると、むしろ好ましくなるから不思議です。
上り坂に差し掛かり、先を進むと見えてきたのが、
八大神社(はちだいじんじゃ)。江戸時代、宮本武蔵が吉岡一門と決闘したとされる一乗寺下り松の古木が保存されています。詩仙堂へ行く前に、お参りしましょう。
本殿向かって左側にあるのが、一乗寺下り松の古木です。
もっと、大きな木だったんでしょうか。今はかなり小さく見えますね。駅から八大神社へ向かう道沿いに決闘したとされる場所があり、大きな石碑が建てられていました。
二刀流で有名な宮本武蔵。若き日の武蔵はこの辺りをどんな気持ちで歩いていたのでしょうか。
雨の詩仙堂
さて、いよいよ目的地、詩仙堂へ。詩仙堂は一乗寺駅からみると、八大神社の手前。八大神社の大きな看板が見えたら右手に入口があります。
詩仙堂は曹洞宗大本山永平寺の末寺。詩仙堂は正確には、でこぼした土地に建てた住居、という意味の凹凸窠 (おうとつか)と言い、その中の一室を詩仙の間と呼ぶことから詩仙堂と呼ばれるようになったとのこと。
入口では、真っ赤なツツジが出迎えてくれました。
中へ入った私を出迎えてくれた風景に思わず、ほうっ、とため息がもれました。
やはり写真でみるのと、実際にみるのとでは大きく違います。圧倒的な緑が視界に広がり、次に静寂が私を包んでくれました。
雨のせいか、ちょうど他にどなたもいなかったので、余計にその静寂が響いてきたのでしょう。しばらく縁側にたたずみ、雨の音を聞いていると、鹿威しのカッコーンという高い音が心地よく届きます。
詩仙堂を開いた石川丈山は、父祖代々徳川家譜代の家臣の家に生まれ、大坂夏の陣では勇猛果敢に戦った人。59歳から亡くなるまでの30数年間をここで過ごしたとのこと。貧しい暮らしであったようですが、この風景の中で日々過ごす時は決して悪いものでは無かったことでしょう。
掃き清められた庭の文様は雨で消えていきますが、それもまた好し。
しばらくすると他の参詣客が訪れ、私の静寂のときは終わりを告げたのでした。
人がいることで、また違った風景も見えてくるものです。
詩仙堂の庭へは、一度外へ出て回り込む必要があります。
雨に濡れた庭園は想像以上に美しいものでした。
もみじと言えば、紅葉ばかりを思い浮かべていましたが、青もみじの美しさに初めて気づかされましたね。
雨に濡れる新緑に、文字通り目一杯いやされ、詩仙堂を後にしたのでした。
一乗寺中谷でお食事と絹ごし緑茶ティラミス
詩仙堂と一乗寺駅の間にある甘味処、一乗寺中谷。帰路にこちらでお食事をいただきました。
いただいたのは、やさしい味の白みそお雑煮と色御飯セット。
京都らしい、おいしいお食事でした。
お土産に購入したのが絹ごし緑茶 茶(ティ)らみす。
ネットで注文すると6か月待ちという人気商品。お店に行けば山積みとまではいきませんが、余裕で購入できました。朝だったからかな?
これがまた、おいしい!6か月待ちの理由がわかります。絹ごし豆腐のほんのりした甘さを感じる上層部に、緑茶が効いた土台、そこに丹波豆の甘納豆が散りばめられています。
ふんわりした食感も最高で、家族ですくいながら、あっという間に食べきってしまいました。
詩仙堂帰りのお土産に最適ですが、要冷蔵なので持ち歩きには注意です。
まとめ
雨だから、予定を変更してしまうのはもったいない、そんな言葉がぴったりとくる、雨の詩仙堂でした。
一度紅葉の季節にも訪れたくなりましたが、きっとこんな静寂は得られないんでしょうね。
京阪電車のプレミアムカーは、混雑を避けたいあなたにピッタリの電車です。
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