関西3空港のひとつ、神戸空港。3空港の中ではもっとも新しい空港でありながらマイナーな存在の神戸空港をレポート。コンパクトな空港だけに使い勝手がいいのが特徴です。
神戸空港と大阪伊丹空港、関西国際空港の位置関係
神戸空港は神戸市沖の人工島に建設された海上空港。近隣には大阪伊丹空港(大阪国際空港)と関西国際空港があり、航空管制の難しさから神戸空港の発着枠は厳しく制限されています。
関西に住んでいないと3空港の位置関係はピンと来ないでしょう。地図上に示してみるとこうなります。
直径約50kmの円内に3つの空港が入ります。関西空港は24時間運用されていますが、騒音問題から海上に離陸、着陸のための航空路が設定されています。その航空路すぐそばに神戸空港が建設されたため、離着陸する便同士が重なってしまうのです。
同じ円を東京近郊に持ってくるとこうなります。
羽田空港と千葉空港と木更津空港がある、とイメージしていただくといいかもしれません。とにかく近いのです。
もともと関西空港に1本化する予定だったのが、伊丹空港が残り、神戸空港が建設されるという事態が招いたこと。日本の航空行政やっちまった事案第1位ではないでしょうか。
神戸空港へのアクセス
無理やり建設された感のある神戸空港ですが、神戸市街からのアクセスは抜群です。とにかく近いのです。
神戸市中心部三宮から、ポートライナーで約18分。すぐに着きます。
ポートライナーで神戸空港へアクセス
ポートライナー(正式名称は神戸新交通ポートアイランド線)は神戸市中心部とポートアイランドを結ぶ自動案内軌条式旅客輸送システム。世界で初めて、運転士のいない無人運転を開始しました。
ポートライナーの起点は三宮駅。阪急、阪神、JR、地下鉄と接続しています。
運賃は三宮駅から神戸空港駅まで大人330円、小児160円。18分しか乗らない割には運賃が高いのは玉にきず。
切符を購入しなくても、PiTaPaが利用できるポートライナーは交通系ICカード(ICOCAやSuica、PASMOなど)が利用できます。手持ちのICをタッチするだけでさっと乗れるので便利です。
車内の様子です。
運転士がいないので、最前列に乗ることが出来ます。この日も子どもさんがかぶりつきで乗っていましたが、この眺めを楽しめるのは無人運転ならではです。
また、ポートライナーは車両もコンパクトなため、このような急カーブも進んでいきます。スピードは控えめですがカーブではGがかかるので、つり革などを持ち、体を支えられるようにしておきましょう。
車窓から神戸空港のある人工島が見えてきました。ポートアイランド沖にさらに埋め立てられた島です。遠目に見てもコンパクトな空港であることがわかります。
手前に停泊している船は神戸ベイシャトル。関西空港とを結ぶ海の交通路です。
神戸空港、終点が近づいてきました。
空港に駐機中の航空機もよくみえます。
駅のホームと車両の間は完全にガラスで仕切られているので、車両全体を撮影することが難しいです。線路・車輪はありませんので、静かに走るポートライナーでした。
リムジンバスで神戸空港へアクセス
神戸空港へはリムジンバスでアクセスすることもできます。しかし路線数が少なく、本数も限られるためあまり便利ではありません。三宮まで出て、ポートライナーに乗車する方が便利ですね。
車で神戸空港へアクセス
神戸空港の目の前は駐車場になっており、車でのアクセスは便利です。
駐車料金は1時間当たり150円。1日最大1,500円です。
神戸空港から搭乗する方は駐車料金が24時間無料になります。保安検査後、搭乗待合室内にある割引機に駐車券を入れて処理しないと割引になりませんのでご注意を。
船(神戸・関空ベイシャトル)で神戸空港へアクセス
関西空港からは船で神戸空港へアクセスできます。
神戸・関空ベイシャトルに乗れば、およそ30分で神戸空港へ到着。関空からの乗り継ぎに利用すると便利です。
ベイシャトル乗船時は、神戸空港駐車場の料金が完全無料(何泊しても無料!)になるので、ベイシャトル内に駐車券を忘れず持っていきましょう。
新幹線新神戸駅からのアクセス
新幹線新神戸駅には市営地下鉄が乗り入れています。地下鉄は各線三宮駅に直結していますが、地下鉄は地下、ポートライナーは地上3階ぐらいの高さにあるので、乗換は若干不便です。神戸市もバス路線で結ぶ計画を持っているようですので、今後のアクセス改善に期待しましょう。
神戸空港ターミナルビルはとってもコンパクト
神戸空港ターミナルビルは大変コンパクトな作りになっています。
ポートライナー神戸空港駅を出るとすぐにターミナルビル入り口です。
自動ドアのデザインがかわいいですね。丸い窓は船の窓をイメージしたのかも。
今年(2016年)開港10周年を迎えました。
ドアを抜けて、出発ロビーに入りました。
こじんまりした出発ロビーです。たぶん、羽田空港のお土産物売り場より狭いと思います。
上から出発ロビーを見てみましょう。
左上のドアがポートライナー駅との通路。右下にセキュリティチェックがあります。駅からセキュリティチェックまで歩いて1分もかかりません。しかもまっすぐ。手荷物が無く、事前チェックインを済ませていたら何も考えずに進んでも大丈夫です。
チェックインカウンターのあるアイランドも2つだけ。
ANAと、
スカイマークです。神戸空港はスカイマークとともに歩んできたと言えるでしょうね。それほどスカイマーク便ばっかりです。
ANAには一応プレミアムチェックインもありますが、そんなもの必要ないぐらいスタッフさんが手持無沙汰そうなのが印象的でした。
アイランドを囲むようにお土産物屋さんが並んでいます。神戸土産をここで購入することができます。
2階ロビーでは無料WiFiが利用できます。
セキュリティがかかっていないので、個人情報をやり取りする場合は注意が必要ですが、ネットで調べものをしたり、ニュースサイトを見たりする場合には便利です。
神戸空港3階はグルメゾーン
出発ロビーからワンフロア上がった3階はグルメゾーンです。
コンパクトな空港らしく、エスカレーターは一人分の幅しかありません。右側に立つか、左側に立つかを考えなくてもいいですし、どうせ片側しか立たないのなら1列分でいいですよね。コンパクトなエスカレーターを上がるとまず目に入るのは大きなガラス窓。
駐機場と滑走路が一望できます。
神戸空港発着便のほとんどはスカイマーク運航便。2016年11月の運航スケジュールでは、26便中18便がスカイマーク。残りがANAまたはANAと共同運航しているAir Do、ソラシドエアです。駐機している航空機を見ても小型のB737ばっかりです。
大きな窓から眺めることができるので、寒い冬でも大丈夫。夏は日差しが強いので、窓の内側でも暑くなりそうです。
3階にはレストランが並びます。
店舗数はさほど多く無く、総合レストラン、セルフうどん、コーヒーショップ、たこ焼き、牛すじ・どんぶりのお店です。昼食時には混雑しますのでお早目に。
レストランの奥にはフライトシミュレーターがあります。
なんだかちゃっちい作りですが、画面を見ると本格的な感じ。
料金は3~5分で100円。コースをいくつか選択できます。大の大人が遊んでいてもいいのでしょうか?さすがに恥ずかしいので止めました。
神戸空港4階屋上は展望デッキ
それでは4階(というか屋上)へ上がりましょう。
屋上は展望デッキになっています。
日当たり良好、天気のいい日はピクニックもできます。
こちらのご家族のようにお弁当を持って神戸空港、というのもいいですね。
奥にあるのは「Sky Lounge Contrail」。ラウンジという名称ですが、いわゆる空港ラウンジでは無く、パーティールームです。披露宴や二次会、同窓会などに利用できます。コース料理もブッフェスタイルも対応しているので、空港と言う非日常な空間でパーティーを開くことが出来ます。
神戸空港のいわゆる空港ラウンジは「ラウンジ神戸」といい、保安検査場を抜けたあとにあります。提携クレジットカードのゴールドカードを所有していると入室でき、その他の方も1,000円で入れます。無料のソフトドリンクをいただけます。
神戸空港の展望デッキは金網の間にガラスの部分がある変則的な形です。
金網の隙間はまあまあ広いので、カメラのレンズを差し入れて写真を撮れます。
滑走路の向こうは大阪湾。日本有数の港である神戸港があるので、大型船もちらほら見えます。そのさらに向こうは大阪府南部、和歌山方面。関西空港のある方向です。
実は天気の良い日は関空を離発着する航空機を見ることもできます。繰り返しになりますが、それだけ距離が近いのです。
展望デッキからもう一段上がると、展望レストランがあります。お寿司屋さんで、夜は夜景を楽しみながらお寿司をいただけるようですが、価格が高いので、なかなかお客さんは入らないでしょうね。
滑走路と反対側は神戸市街です。夜は神戸の夜景を海側から眺めることができます。でも夜景はやっぱり六甲山から見下ろす方がきれいですね。
神戸空港1階は到着ロビー
神戸空港1階は到着ロビーです。
神戸空港に到着したらここに出ます。到着口1と2がありますが、分けなくてもいいんじゃない?というぐらい近くにあります。
エレベーターで2階へ上がればすぐにポートライナー改札口ですから、帰りの動線もスムーズです。
まとめ
神戸空港は神戸市中心部からも近く、空港自体がコンパクトで利用しやすい空港です。コンパクトな分、発着便も少ないのでなかなか利用する機会は無いかもしれませんが、ちょこっと飛行機を見に行っても楽しめます。
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