陸マイラーにとって、史上最強のクレジットカードであったソラチカカード。
いったいソラチカカードの何がすごかったのか?その利用方法はどのようなものだったのか?ANA陸マイラーに必須であった、1年間に最大216,000 ANAマイルという爆発的なマイルを貯められるカード、ソラチカカードと、ソラチカルートを利用したANAマイルの貯め方を徹底解説します。
ANAの歴史に残る機体と言えば、B747-400(通称ジャンボジェット)。
ソラチカルート閉鎖、終了
2018年1月9日、陸マイラー界に激震が走ります。ソラチカルートの入り口である、メトロポイントに交換できるポイントサイト、ドットマネー、PeX、Netmile、Gポイントからの交換が2018年3月末をもって終了します、とアナウンスされました。
ソラチカカードが最強である所以の、ポイント交換によるANAマイル錬金術(敢えて錬金術と呼ばせていただきます)はこれをもって終了となったのでした。
今後はこのようなマイル錬金術が可能となるクレジットカードは出現しないでしょう。
ソラチカカードは最強の称号を、今後も保ち続けていくことでしょう。この記事は最強の理由を後世に残すため、そのままにしておきます(笑)。
最初にマイルの貯まり方を比較してみましょう
ソラチカカード・ソラチカルートについてみていく前に、主なマイルの貯め方とマイルの貯まり方を比較してみましょう。比較するのは以下の3つの貯め方です。
- ANAのフライトに搭乗して貯める
- ANAマイルが貯まるクレジットカードを利用して貯める
- ポイントサイトでポイントを貯めて、ソラチカルートで交換する
1.ANAのフライトに搭乗して貯める・フライトマイル
最もオーソドックスなマイルの貯め方は、飛行機に乗ってマイルを貯める方法です。一例として東京-大阪間を毎週往復しているビジネスマンを想定してみます。
出張ですので、ビジネスきっぷを利用します。東京-大阪間で貯まるフライトマイルはANAのフライトマイルシミュレーションを使用して計算すると280マイルでした。
往復ですからANA 560マイルになります。1年間50週往復したとして、560×50=28,000マイルでした。思ったより多いですか?少ないですか?
クレジットカードを利用してANAマイルを貯める
次はマイルを貯める方法として広く認知されている、クレジットカードを利用してANAマイルを貯める方法です。ANAマイルが貯まるカードはいろいろありますが、ここではANAカードを利用してマイルを貯めると想定します。ANAカードで貯まるマイルは100円ごとに1 ANAマイルが標準的です。
1か月に買い物や携帯電話賞金等で10万円支出したとすると、ANA 1,000マイル貯まります。1年間ではANA 12,000マイルです。もうちょっと頑張って使用して月に20万円利用したとすると、1か月にANA 2,000マイル貯まるので、年間24,000マイル貯まります。クレジットカードでANAマイルを貯めるのは意外に難しいことがわかります。
ソラチカルートでANAマイルを貯める
ソラチカカードを所有している人だけが利用できるポイント-マイル交換ルートがソラチカルートです。ソラチカルートでは、1か月に20,000ポイント(2万円相当)を上限としてANAマイルに交換できます。20,000ポイントはANAマイルに交換すると18,000マイルになります。
1か月に最大ANA 18,000マイル貯められるので、1年間ではANA 216,000マイル貯まります。あれ?フライトマイルやクレジットカード利用で貯まるマイルに比べて一桁多いですよ?本当にそんなにANAマイルが貯まる方法なんでしょうか?
それではソラチカカード、ソラチカルートについてみていきましょう。
ソラチカカードとは?
ソラチカカード 名称の由来
「ソラチカカード」って変わった名前だけど、どのような由来があるのでしょうか?
ソラチカカードの本名(正式名称)はANA To Me CARD PASMO JCB。JCBが発行するANAカードのひとつです。To Me CARDは東京メトロの発行するクレジットカード。JCBカードと東京メトロがコラボしたクレジットカード(ANAカード)が「ソラチカカード」です。
ANA JCBカードは飛行機=空を中心に利用するカード。To Me CARDは地下鉄=地下で主に利用するカードになります。空と地下(陸ではありません)両方で利用できるカードなので、ソラチカ(空地下)カードという愛称が付けられました。もともと、ANA JCBカードには一般(普通)、ワイドカード、ワイドゴールドカードのラインナップがありましたが、そこへ東京メトロと提携したソラチカカードが加わった訳です。
当初は、ANA JCBカードとソラチカカードは同時に発行できませんでしたが、現在は両方のカードを同時に所持することができるようになっています。ソラチカカードがあまりに人気なので、カード発行のルールを改定したようです。
ソラチカカードのスペック
ソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB)のスペックを確認しましょう。
◆年会費
2,000円(税抜)
◆カード新規入会・更新時のボーナスマイル
1,000マイル
◆ANA便搭乗時のボーナスマイル
10%分マイル
◆海外旅行付帯保険
最高1,000万円
カード利用金額1,000円ごとに、JCBカードのポイントであるOkiDokiポイントが1ポイント貯まります。マイル移行手数料5,000円(税抜)/年を払うことで、1 OkiDokiポイントを10 ANAマイルに交換することができます。手数料を払わなくても無料で、1 OkiDokiポイントを5 ANAマイルに交換できます。
ソラチカカードは、カード年会費2,000円+ANAマイル移行手数料5,000円=年間7,000円(税抜)を払うと、1,000円ごとに10 ANAマイルが貯まるクレジットカードと言えます。
あれ?それって他のクレジットカードとなにか違うの?と思われた方、鋭いですね。
他のANAカードとなんら変わりませんし、当ブログおすすめのANAワイドゴールドカード(ANA VISAカード/MasterCard)の年間負担、9,500円と大差ないノーマルカードです。日常の買い物で利用するならソラチカカードよりもゴールドカードの特典も数多くある、ANAワイドゴールドカード(ANA VISAカード/MasterCard)を選ぶべきでしょう。
ソラチカルートで大量ANAマイルを獲得!
ソラチカカードの利用方法
ソラチカカードの本領は他のポイントをANAマイルに交換する際に発揮されます。一般的なポイント交換では、2円相当のポイントが1ANAマイルになります。
しかしソラチカカードがあれば1円相当のメトロポイントが0.9ANAマイルになります。この交換比率でメトロポイントをANAマイルに交換できるのはソラチカカードだけです。ソラチカカード以外のTo Me CARD(To Me CARD一般、Prime、ゴールドなど)では、この交換レートではANAマイルに交換できないので注意してください。
この高効率ANAマイル交換ルートを陸マイラー界ではソラチカルートと呼びます。
どんなポイントでも、メトロポイントに移行することができれば、ソラチカルートを介してANAマイルに交換することができます。
ソラチカルート、まずはメトロポイントに集結
ソラチカルートを利用するにはまず、メトロポイントにポイント移行します。
ポイントサイトやアンケートサイトで貯めたポイントをメトロポイントに移行するには、ポイント移行サイトを中継点として利用します。主だったポイント移行サイトには、PeX、Gポイント、.money(ドットマネー)、Netmileの4つがあります。
ポイント移行サイトからメトロポイントへの交換には.moneyを除いて手数料が必要ですが、1:1の等価で移行できます。ハピタスやポイントタウン、ちょびリッチなどで貯めたポイントは最初にポイント移行サイトに交換し、その後メトロポイントを介してANAマイルに移行することで、1円相当のポイント=0.9 ANAマイルとすることができるのです。
こういったポイント交換のためのルートを検索するには「ポイ探」が便利です。
ソラチカルートの価値を検証
ポイントサイトで貯めたポイントをANAマイルに移行してみましょう。
ポイントサイトの中には直接ANAマイルに交換できるサイトもありますが、ソラチカルートに比較するとポイントの価値がかなり落ちてしまいます。
例えば、当ブログお勧めポイントサイトのひとつ、ポイントタウン。
ポイントタウンからは直接ANAマイルに交換することもできますが、交換レートは、
ポイントタウンのポイントは20ポイント=1円相当なので、ポイントタウン7,000ポイント(350円相当)が100 ANAマイルになります。1円=0.285 ANAマイルとその価値は大幅にダウンします。
次にポイント移行サイトを介してTポイント経由でANAマイルに移行してみましょう。この場合、1,000円相当のポイントはANA500マイルほどになります。
最後にソラチカルートを検証しましょう。
ポイントタウンのポイントを、ポイント移行サイトであるPeXにまず交換します。次にメトロポイントに交換、さらにANAマイルに移行することで、1,000円相当のポイントが約ANA900マイルとなります。他のルートを利用する場合に比べて圧倒的に有利なレートで交換できるのです。
メトロポイントをANAマイルに交換する際に必要なのがソラチカカード。このカードが無ければ、ソラチカルートを利用した有利なレートでの交換ができないのです。
ポイントサイトからソラチカルートを利用してANAマイルに交換
では実際にポイントサイトからANAマイルに交換してみましょう。
ポイントサイトNetmileからメトロポイントへ交換
今回はメトロポイントへの交換レートキャンペーンを実施しているNetmileから交換してみます。ログイン後、まずは「ネットマイルを交換する」をクリック。
Netmileのポイントはmileといいます。mileの価値は2mile=1円相当。普段は200mileが100メトロポイントに交換されますが、キャンペーン中は120メトロポイントと20%UPでした。
おすすめ交換先にメトロポイントがあります。ANAにも交換できますが、540mileが100ANAマイルになり、かなりレートは悪くなります。
交換手数料が1回100mile(50円相当)必要ですので、なるべくポイントはまとめて交換しましょう。
最後に交換内容を入力します。
To Me CARDお客様番号はカード券面左下に記載されています。
交換申請をしたらあとは待つだけ。交換完了予定日はほとんどの場合、長めに設定されていますが、ANAマイルを利用する予定がある場合は早めに交換しておきましょう。Netmileからは10日に交換申請を行いましたが、メトロポイントへは同月中に加算されました。Netmileの仕事、早い!
ポイントサイト・ドットマネーからメトロポイントへ交換
2015年、注目されたポイントサイトがドットマネー。何といっても、メトロポイントへの交換時に手数料が不要であるのが特長です。
まずは「マネーをつかう」タブからスタート。ドットマネーではキャンペーンで受け取ったポイントの有効期限は付与された同じ月内となっていることが多いので、注意が必要です。
メトロポイントへの交換をクリックします。交換レートはドットマネー300マネーがメトロポイント300ポイントの等価交換。最低交換ポイントは300ポイントです。
交換に要する日数は1~2ヶ月と表示されています。結構幅がありますね。
今まで、一度も交換していないと最初に本人確認の登録が必要です。名前とメールアドレスを入力します。
ドットマネー交換用の暗証番号を設定します。数字4桁です。
さらに携帯電話のSMS(キャリアメール)を利用した認証が必要です。つまり、ドットマネーからポイント交換するには携帯電話の所持が必須ということですので、要注意です。
認証番号を受け取ったら入力、これで設定は終了です。
交換申請に戻ります。まずはドットマネー暗証番号を入力。4桁の数字でしたね。
さらにメトロポイントの情報を入力します。メトロポイントお客様番号はソラチカカードに記載されているANAマイレージクラブ会員番号と同一です。
交換申請をしました。
ドットマネー通帳には最低交換可能ポイントの300ポイントに足りず、交換できなかった280ポイントが残りました。
有効期限の短いポイントから使用されるので、残るポイントの有効期限には若干余裕があります。それでも最長で6か月というドットマネーのポイント(マネー)有効期限には注意が必要です。
メトロポイントをANAマイルに交換
メトロポイントへの交換が完了したら、次はTo Me CARDのサイトへログインします。
ログイン画面で入力するのは、先ほどNetmileやドットマネーからの交換で入力したお客様番号と確認番号です。確認番号は入会時の設定では誕生日(4月1日なら0401)に設定されています。ログイン後変更が可能です。
ログイン後はメトロポイント移行申請へ。
メトロポイントへの交換、他のサービスへの移行をこのページから行うことができます。
移行申請は移行したいメトロポイント数を入力するだけ。
16,700ポイントを交換申請したので、15,030マイルになる予定です。
メトロポイントからANAマイルへの交換は毎月15日に締め切られ、翌月10日ごろにANAマイルに加算されます。16日に交換すると、翌々月までANAマイルに加算されませんのでご注意を。
ソラチカルートを利用する際の注意事項
最強のANAマイル交換ルートであるソラチカルート。しかし弱点もあります。
ソラチカルートで貯められるANAマイルは毎月18,000マイルまで
ソラチカルートを利用してANAマイルに交換できるメトロポイントは、1ヶ月に20,000ポイントまで、という上限があります。メトロポイント20,000ポイントをANAマイルに交換すると、18,000ANAマイルになります。毎月ポイントサイトで獲得したポイントをソラチカルートでANAマイルに交換したとしても、18,000マイル/月が上限となります。
1ヶ月に18,000ANAマイル、1年間だと216,000ANAマイルです。ソラチカルートを利用して貯められるANAマイルは年間216,000マイルが上限となります。
ソラチカルートを効率よく回すには締め切り日に注意
メトロポイントからANAマイルの交換は毎月15日が締日となります。15日までにANAマイルへの交換申請をすれば、翌月10日過ぎにANAマイルに反映されます。ポイントサイトからメトロポイントへの交換は、15日の締日に間に合うように行う必要があります。ポイントサイトからメトロポイントへの交換に要する日数はそれぞれ異なるため、余裕を持った交換が必要です。
メトロポイントの有効期限にも注意
メトロポイントにも有効期限があります。毎年4月1日から翌年3月末日までの間に付与されたメトロポイントは、翌々年の3月末日まで有効です。メトロポイントの有効期限は最長で約2年間、最短で約1年間です。ポイントサイトからメトロポイントへの交換に日数が必要だからと言って、メトロポイントの貯めこみすぎにも注意が必要です。
まとめ
ポイントサイトで貯めたポイントをANAマイルに効率よく交換するために必要なのがソラチカカードです。日常の買い物は別のカードを利用して、ANAマイルへのポイント移行にはソラチカカードを利用する。これがANA陸マイラーの常識です。
ただし、ソラチカルートを利用するためには、まずポイントを貯める必要があります。
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