ANA国内線でファーストクラスに搭乗しました。
正確に言うと、ANAの国内線で国際線ファーストクラスのシートに座ってフライトしました。欧米路線で運用されているファーストクラスですが、航空券を購入すると100万円以上することも稀ではありません。そのファーストクラスのシートに、わずか1時間ほどのフライトですが座れる貴重な体験でした(サービスは国内線プレミアムクラスと同等です)。
ANA国内線で国際線機材が使用される
国内線機材と国際線機材
飛行機は国内線で使用する機材(飛行機)と国際線で使用する機材に最初から分けられて運用されます。短距離を主に飛ぶ国内線と、中長距離を飛ぶ国際線とではシートやサービス内容が異なるので当然ですね。
ただし稀に国内線フライトなのに国際線機材が使用されることがあります。
中でも大阪(伊丹)と東京(成田)を結ぶ路線は、機材繰りの影響で国際線機材が使用される頻度が最も高く、国内線だけど国際線のシートに座れるチャンスが多い路線です。
国際線機材が使用されるフライト
大阪(伊丹)と東京(成田)は1日2便(夏季は増便されることあり)2往復のフライトがあります。そのうち、国際線機材が使用されるのはANA2176便とANA2179便です。
使用されるのは長距離国際線を飛ぶ、ボーイング777-300ER(77W)型機。ANAの予約画面を見てみると、「773」と表示されており国内線用機材に見えますが、ほとんどの場合は国際線機材です。成田空港に戻ってきた飛行機をそのまま伊丹行に使用し、伊丹空港で1泊。伊丹空港から朝、成田空港に戻るフライトに使用してそのまま国際線長距離路線に使う、という運用なんだと思います。
国内線で国際線機材を使用するとシートはどうなる?
エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、ビジネスクラスのシートが普通席として、ファーストクラスのシートがプレミアムクラスとして販売されます。
前方席であるビジネスクラスのシートは最初、ANAマイレージクラブの上級会員しか予約できませんが(たまに空いているときもあります)、搭乗2日前になるとすべての人に開放されるので、座席指定をやり直すとビジネスクラスのシートに座れるチャンスがあります。
プレミアムクラスは全てファーストクラスのシートとなるので、空席がある限り誰でも座ることができます。
大阪伊丹空港・ANA LOUNGEを楽しむ
大阪伊丹空港(大阪国際空港)へやってきました。休日の朝、空港はチェックインする人で大混雑。伊丹空港は絶賛改装中なので混雑が余計にひどい感じがします。預け入れ荷物も無い私はそのまま手荷物検査場へ。Skipサービスが利用できるので自動チェックイン機でのチェックインすら不要です。
今回はプレミアムクラス利用なので、優先レーン(プレミアムクラス専用保安検査場)を利用できます。が、チェックインもせずにスルーしてきたので検査場はさほど混んでいませんでした。
検査場を通過したら向かって右手にANA LOUNGEがあります。
伊丹空港の改装に伴い、ANA LOUNGE、ANA SUITE LOUNGEは移転し一新されました。
エスカレーターを上がり3階へ。カウンターで先ほどSKIPサービスで使用したカードまたはQRコードをかざしてチェックインします。
カウンター横にはスターウォーズジェットの模型があります。
ラウンジに入ると広い空間が広がっていました。ダイニングエリアとドリンクバー。
ビジネスエリアと滑走路を見渡せるシート。
ソファーシート。ここに陣取りました。ソファの横にちょうどいい大きさの丸テーブルがあって、ドリンクを置きやすそうだったので。
滑走路は見えませんが奥にもソファーエリアがあります。
ラウンジに入るといつでもウキウキしますが、新しいラウンジはなお良いですね。きれいで明るくて快適です。
ラウンジというと食事が食べられるイメージがありますが、国内線ラウンジにはおつまみの小袋はありますが、食事は置いてありません。ANA SUITE LOUNGEには軽食がありますが、国際線ラウンジほどの食事はできません。
コーヒーやジュースが飲めるサーバーと、
焼酎、ハイボール、ビールサーバーがあり、アルコール類は楽しめます。
ラウンジでの楽しみはドリンクだけではありません。窓からの飛行機ウォッチングも欠かせません。あ、私だけかも?
伊丹空港のANA LOUNGEでは、窓から駐機場や滑走路が一望できます。2本ある滑走路はいずれも窓から見えるので、すべての航空機の離着陸を逃さず観察できます。
この日も滑走路を行く航空機を見ていると、あれ?いつもと違う方向に飛んでいく。
普段の伊丹空港では、航空機は向かって左から右(南から北方向)へ離陸、着陸していきます。しかしこの日は南風が強かったので、逆の左から右(北から南方向)へ離陸、着陸していました。
ラウンジの中の音しか聞こえないですね。滑走路が近いけどとても静かです。
あれ?特別塗装機が2機も駐機している!あの黄色いの(スターウォーズジェット)に乗りたい!と思ってラウンジを後にします。
黄色いスターウォーズジェットの行き先は、
残念、沖縄でした。ゲート前にたむろしていた高校生が修学旅行で乗るんだろうな、うらやましい。
私が乗る飛行機はこちら、ボーイング777-300ER。レジ(機体)番号;JA778Aです。
それでは成田空港まで参りましょう。
ANA国内線でファーストクラスに搭乗
機内に入ると飛び込んでくるのが、8席しか無いファーストクラス座席。仕切りに囲まれたボックス個室風の座席です。
自席は1A。始まりの始まり、1丁目1番地の座席です。
窓4つ分を使用した空間に大きなシートが鎮座しています。
座席の周囲は壁に完全に囲まれているので、通路を行く人やスタッフも気になりません。席に座ると目の前には23インチワイドスクリーン。タッチパネル式でもありますが遠くて届きません。画面下にはオットマンがあり、オットマンの下にも収納スペースがあります。
遠くて届かない画面のコントロールは側面パネルを開けた中にあるコントローラーで。眼鏡などを収納する物入もあります。忘れ物に注意ですね。
シートのリクライニングは完全に電動。タッチパネルを操作して動かします。タッチパネル上にはLEDライトがついており、離着陸の際はこのライトがグリーンになっていないとダメなんだそうです。リラックスモードにしてみました。
後ろの座席を全く気にすることなくリクライニングできるのはいいですね。深々と腰かけるととても良い座り心地です。さらにシートを倒していくと、シートはだんだんと前方へ移動し、オットマンと一つになってベッドモードになります。
完全にフラットになったシートはベッドそのもの。ここに毛布をかければ安眠間違いなしです。
詳しい利用方法は備え付けのシートガイドをご覧ください。
シートで遊んでいると、プレミアムクラスの朝食が運ばれてきました。
サンドイッチにクラムチャウダーです。男性だとおなかいっぱい、とはいきませんが小腹を満たすには十分です。お味もよろしいようで。
1時間ほどのフライトはあっという間に終わります。窓からは関東平野が見えます。田植え前の田んぼが広がる風景は、これぞ日本、ですね。海外からのお客さまもこの風景を見て、異国に来たことを感じられるのではないでしょうか。バリ島ウブドには”田んぼビュー”なんてものがありますが、日本も田んぼビューをもっと売りにしてもいいのではないでしょうか。ただし、冬の田んぼはちょっと殺風景ではありますが、北国なら雪景色になってきれいですよね。
ここでANAファーストクラスの欠点をひとつ。窓が遠い。
シートを囲む壁のせいで、ファーストクラスシートは窓から少し離れて設置されています。壁があるのでシート真横の窓からの風景は楽しめません。仕方なく前方の窓から外を見るのですが、窓との間には少し空間があって、窓までがとても遠いのです。離着陸時はシートベルトをした姿勢で前のめりにならなくてはいけないため、かなり無理な姿勢を取ります。
機窓風景を撮影されているルーク・オザワさんだったら発狂もののシートです。
このあと、ルーク・オザワさんと思わぬ出会いがあるのですが別の記事で。
まとめ
ANA国内線で国際線ファーストクラスシートを楽しめる、大阪伊丹-東京成田路線はとてもおすすめです。実際にファーストクラスに乗ろうと思ったらン十万円以上の費用がかかりますが、2万円強でシートだけなら体験でき、とてもお得だと思いました。
マイルを貯めて特典航空券、ではプレミアムクラスチケットが予約できないので搭乗できませんが、マイルをSKYコインに換えて航空券を購入すれば実質無料で国際線ファーストクラスシートを体験できました。
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