ANA・東京-ホノルル線にファーストクラスを備えたA380を導入

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ANAは2016年1月29日に発表した中期経営計画で、エアバスA380型機を3機導入することを決定しました。

A380は総2階建ての大型機。現行、最も多くの乗客を一度に運ぶことができる機体です。1席当たりにかかる運航コストは下がりますがその反面、販売する座席数が増えるため、座席を埋めることが難しくなります。

ANAのA380にかけるこの挑戦、吉と出るか凶と出るか?

エアバスA380型機

Eisenmenger / Pixabay

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ANAが導入するエアバスA380型機とは

世界最大の航空機A380

欧州エアバス社が生産するA380は総2階建て、すべてをエコノミーシートに設定した場合、最大定員が853席になるという巨大航空機。2007年にローンチカスタマー(最初の発注航空会社)であるシンガポール航空に引き渡され、シンガポール-シドニー間で初の商業運航を行いました。

その後、現在A380を最も多く所有する航空会社であるエミレーツ航空(UAE)を始め、カンタス航空(オーストラリア)、エールフランス航空(フランス)、ルフトハンザ・ドイツ航空(ドイツ)、ブリティッシュ・エアウェイズ(イギリス)、大韓航空(韓国)、アシアナ航空(韓国)、中国南方航空(中国)、マレーシア航空(マレーシア)、タイ国際航空(タイ)、カタール航空(カタール)、エティハド航空(UAE)の全13社で運航中です。

この他には、ヴァージン・アトランティック航空(イギリス)やトランスアエロ航空(ロシア)が発注、受け渡し待ちの状態です。

2015年まではANA、JALともにこのA380は発注しておらず、外国の航空会社が運航するA380が日本に就航する他には、日本で目にすることは無い航空機でした。

一方、マレーシア航空では経営の悪化に伴い、A380を放出する可能性が示唆されており、必ずしも順調に運航できる(コスト面で)航空機ではありません。

A380は就航できる空港に制限が

A380はその巨大な機体のため、就航できる空港が限られています。

全長こそ72.3メートルと、同じエアバス社のA340-600の75.3メートルや、ボーイング社の777-300の73.9メートルに及びませんが、主翼の端から端までの長さが79.8メートルもあり、飛行機が空港で駐機するスポットの間が十分に無いと、隣の飛行機に接触してしまいます。

A380

幅広な飛行機です

ところで、巨大なA380は離着陸にもかなりの距離が必要かと思われがちですが、羽田空港や成田国際空港にある2,500メートルの滑走路でも問題なく離着陸することが可能であり、離着陸能力に優れた面もあります。

日本では成田空港と関西空港にA380が就航しています。羽田空港ではその巨大な機体が作る後方の渦のせいで、飛行機の離着陸間隔を開ける必要があるため、6時から23時までの就航制限があり、現在就航しているA380はありません。

ちなみに羽田空港では、A380への対応として107番スポットにアッパーデッキ(2階)用のPassenger Boarding Bridge(搭乗橋:ターミナルから歩いて飛行機に乗るための通路)が設置されています。

 総2階建の飛行機のため、1階、2階の両方に搭乗橋が無いと乗り降りに時間がかかってしまうのです。

ANAがハワイ路線にA380を導入する理由

リゾート路線を拡大する

ANAが発表した中期5か年計画では、中南米やアジアの空白地帯への路線展開を図ると目標が掲げられています。

具体的には2016年中にプノンペン、メキシコシティへ新規就航し、子会社LCC(格安航空会社)であるバニラエアによるANA未就航地やリゾートなど、日本発のプレジャー(pleasure;楽しみ)路線への展開を行うとしています。

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ANA、2016年冬にメキシコシティへ就航

ANA本体によるプレジャー路線強化も目標とされており、その一環としてハワイ路線の強化が行われるわけです。

リゾート

Unsplash / Pixabay

ハワイ路線に弱いANA

日本人がリゾート地と言われてまず思い浮かべるのはハワイでしょう。しかしリゾート=ハワイというキャンペーンを展開したのはJAL。ハワイ路線ではJALが圧倒的に強いのです。

実際、JALは東京、中部、関西からハワイへ毎日6便就航しているのに対して、ANAは東京からの3便のみ。ハワイ路線に占めるANAの座席供給数は10%程度です。さらにここ数年はハワイを本拠地とするハワイアン航空の攻勢が著しく、ハワイ路線の半分近くをハワイアン航空が占めるほどになっています。

ここにA380という巨大機を就航させ、座席供給数を増やす(ハワイ線のシェアを拡大する)とともに、機内サービスの充実を図ることで(A380は巨大な飛行機なので、シャワー室を設置している会社もある)新しい顧客を獲得しよう、という目論見です。

ただし、ハワイ路線のみならず、リゾート路線全般に弱い、というのがANAに対する評価です。あくまでのANAの経営戦略によるものですが、リゾート路線でエコノミークラスの乗客ばかり運ぶより、ビジネス路線でビジネスクラスを利用してくれる乗客を運ぶ方が儲かる、というもの。ですからグアム路線には就航すらしていません。

恐らく今後もANA本体はリゾート路線へ就航することはなく、子会社LCCのバニラエアがグアムなどへ就航していくと思われます。

A380の座席を埋めるだけの需要

A380はエコノミークラス単独なら最大で853席、4クラス制(ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミー)でも544席を装備することができます。ANAの787は最大240席、777-200ERは最大306席ですから、1機当たり200席以上座席供給数が増加します。

これだけの需要を埋めることができる路線、それはハワイ線以外には考えられない、というのがANAの予測です。またハワイ路線はマイルで特典航空券予約が難しい路線とされています。それだけハワイは人気のある渡航先なのですが、その需要に応えるだけの座席供給がされていなかったのが原因です。A380の導入により、特典航空券座席数が増えれば私たち陸マイラーもハッピーです。

ANAでは今後、A380就航によりハワイ線の運賃は低下すると予測しています。運賃低下はANAにとっても”首を絞める”ことにつながります。A380の座席を埋めることができるのか、運賃低下による収益の悪化に対処できるのか、ANA自身への課題でもあります。

ANAがA380を購入する本当の理由

これはいろいろと言われていますが、スカイマーク破たん後の支援決定時の見返りと考えられています。

スカイマークはJAL、ANAに続く第3極の航空会社として注目されていましたが、A380の購入を決定したのち、収益が悪化。そのキャンセル時に生じた巨額の違約金が負担となり破たんしました。

そのスカイマーク支援に乗り出したANAにとって、大口債権者であるエアバスとの関係をよくするために、A380の購入を裏で約束していた、ということのようです。

スカイマーク

ANA、ハワイ路線で新たな挑戦

ハワイ路線にファーストクラス

ファーストクラスは天空の高級ホテルであり、高級レストランでもあるシート。そのサービスも最高のものが用意されます。

通常ファーストクラスはビジネス需要がメイン。ですからリゾート路線であるハワイ線にファーストクラスは設定されていません。そこに”あえて”ファーストクラスを設定し、新たな需要を掘り起こそうという狙いです。富裕層狙いですから、中国からの乗り換え客にファーストクラスを売り込もうということかもしれません。

さらにA380はその大きな機体を活かした、個室タイプの上級クラスを設定する航空会社が多くあります。ANAのファーストクラスも、B777-300ERに設定されているファーストクラスとは異なる、プライベート感覚を重視した仕様になるのか、リゾート路線らしく同行者と旅を楽しめる仕様にするのか、楽しみであります。

ファーストクラス以外にもファミリー向け座席の導入も検討されているようです。

ANA A380は成田-ホノルル線に導入

当初は羽田-ホノルル線に就航するとも噂されていたANAのA380ですが、成田-ホノルル線に導入される予定です。

羽田空港ではなく、成田空港に導入する理由はいくつかありそうですが、まず羽田空港の発着枠の問題が大きいと思います。前述のように羽田空港にA380が離発着できる時間帯は深夜早朝に限られます。

さらに羽田空港とアメリカ合衆国を結ぶ便の数は2国間協議で決まっており、リゾート路線のホノルル線よりも、ビジネス需要が見込めるアメリカ本土の都市への路線の方が収益が見込めると判断されたものと思われます。

そしてA380納入は2019年3月

2016年12月、ANAは国土交通省にA380 3機の予約登録を行いました。機体番号(レジ)は「JA381A」「JA382A」「JA383A」を使用。最初に導入される「JA381A」は2019年3月の納入が予定されています。

ANAのA380はウミガメジェット!愛称は「FLYING HONU」

2017年3月、ANAはA380に施す特別塗装のデザインを発表しました。

ANA A380

世界中から応募のあった2,000件以上の中から選ばれたのはハワイの海で泳ぐ3匹のウミガメの親子。ウミガメはハワイでは幸福と繁栄の象徴とされ、ハワイ語で「ホヌ」の愛称で親しまれているとのことです。

デザインには賛否ありそうですが、目立つこと間違いなしのA380となりそうです。世界中のスポッター(航空写真を撮影するコレクター)が成田空港やハワイ・ホノルル空港に出没するかもしれません。

ANAマイルを利用してファーストクラスでハワイへ

ANAマイルでハワイへ行こう!

マイラーですから、ANAマイルを利用してファーストクラスでハワイへ行ってみたいと思います。必要マイル数はZONEによって決まります。ハワイはZONE5に属します。

ANAマイレージクラブ

ハワイへは現状、ファーストクラスの設定がありません。そこで必要マイル数が比較的似ているZONE4(アジア2)を参考に、必要マイル数を予想してみました。

ANAマイレージクラブ

ファーストクラスですから、特典航空券に開放される座席は通常1席か2席になります。人気のハワイ路線ですから、相当激しい競争が予想されます。予約開始時刻になったとたん、マイルで取れる空席が無くなる、なんてことは普通にありそうです。

マイルでハワイまでファーストクラスで行くことができるでしょうか?マイルを貯めるとともに、より特典航空券予約が取りやすい上級会員(ANAマイレージクラブ・ダイヤモンド会員など)になっておく必要があるかもしれません。

ファーストクラスのシートはシンガポール航空のように独自のものになると、1席で高級外車が購入できるほどなんだそうです。ビジネスクラスでもプリウスが購入できるほどかかるのだとか。搭乗するチャンスがあっても、丁寧に使用してくださいね。

JALファーストクラスでハワイへ行けるのか?

ところでANAの永遠のライバル、JALのファーストクラスでハワイへ行けるのでしょうか?

以前はボーイング747型機(通称ジャンボジェット)がハワイへ就航していたため、ファーストクラスでハワイへ行くことができました。しかし現在はジャンボ機は全機退役しており、JALファーストクラスでハワイへ行くことはできません。ここにANAがファーストクラスでの運航を開始すれば、JALに対するアドバンテージが生まれます。

JALもハワイ路線を死守!ハワイアン航空と提携開始

2004年ごろは日本ハワイ路線に占める提供座席の割合が半分近くあったJALですが、近年はANAの攻勢、ハワイアン航空の就航などにより3割程度に低下しています。ANAがA380を就航させればさらに低下することは必至。

JALも国際線の牙城であるハワイ路線強化に動いています。

機材の改修によりプレミアムエコノミーを設定するほか、ビジネスクラスシートもフルフラットシートに。さらに成田、中部、関西と結ぶ路線に資生堂パーラーと提携した機内食を提供するなど、顧客獲得にあの手この手を打っています。

そして2018年3月より、ハワイを拠点とするハワイアン航空との提携を発表。ANAと提携関係にあったハワイアン航空ですが、なかなかこっち(ハワイアン航空の方)を向いてくれないANAとは手を切り、JALを新たなパートナーに選びました。ハワイ路線では強者同士の連合。ANAには厳しい展開になりそうです。

JALとハワイアン航空が、コードシェア、マイレージを含めた包括提携を開始すると発表されました。提携開始は2018年夏季スケジュールが...

ハワイにファーストクラスで行ける航空会社は?

JALにはファーストクラスの設定がなく、ANAもA380就航はまだ少し先。ではハワイまでファーストクラスで行ける航空会社はどこでしょうか?

2016年3月現在、ハワイへファーストクラスで行ける航空会社はユナイテッド航空です。成田-ホノルル間をファーストクラスが設定されたボーイング777型機で運航しています。

ユナイテッド航空

ユナイテッド航空はスターアライアンスメンバーであり、ANAマイルで予約することも可能です。必要なマイルは120,000マイルです。ただユナイテッド航空の機内サービスは ”アレ” という評判であり、12万マイル使って搭乗するかと言われると微妙かもしれません。

まとめ

 ANAは総2階建ての航空機A380を導入し、東京成田-ホノルル線に就航させます。A380には特別塗装が施され、ウミガメジェットになります。

 ハワイ線はA380導入によって、航空会社間の競争がますます激しくなると予想されます。

 ANAのA380にはファーストクラスが設置されます。ファーストクラス特典航空券は熾烈な争奪戦が繰り広げられることでしょう。

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