2016年5月、ANAは2017年2月にメキシコシティへ就航すると発表しました。
メキシコ路線は以前、JALが就航していましたが撤退。以後日系航空会社は運航していませんでした。既にANAは、JALの国際線就航都市数34を大きく上回った都市に就航していますが、ANAの路線拡大方針は2016年も続きます。
ANA、成田ーメキシコシティ線を開設
ANA初のメキシコ路線
ANAは2017年2月15日(水)から、成田ーメキシコシティ路線を開設します。運航機材はボーイング787-8型機。燃費が向上した787型機は中程度の需要が見込まれる都市への就航に最適です。
ANAにとっては初めてのメキシコ路線。JALが2010年に成田ーバンクーバーーメキシコシティ線のバンクーバーーメキシコシティ間を停止して以来、17年ぶりの日系航空会社によるメキシコ就航になります。
現在メキシコシティへは、メキシコの航空会社アエロメヒコが同じくボーイング787型機で週4便運航中。ANAは成田-メキシコシティ間に毎日就航します。
ANA 成田-メキシコシティ運航スケジュール
2016年11月10日、ANAより待望の運航スケジュールが発表となりました。
NH180 東京成田 16:40 → メキシコシティ 13:55
NH179 メキシコシティ 01:00 → 東京成田 06:35(翌日)
行きは夕方出発して現地昼過ぎに到着、帰りは深夜に出発して翌早朝に到着するスケジュールです。時差と距離があるだけに、調整が難しそうなスケジュールです。
運航機材はボーイング787-8型機(ビジネスクラス24席+エコノミークラス123席の169席仕様)。ANAのB787-8型機には2種類のシートレギュレーションがありますが、そのうち座席数が少なく、ゆったりとしたタイプのものになります。
この169席仕様のB787-8型機にはプレミアムエコノミーシートも搭載されており、ビジネスクラスほど運賃は高くないけれど、機内ではちょっとゆったりと過ごすことができます。
メキシコシティは標高が高く(2230m)空気が薄いため、通常のエンジンでは離陸時の出力不足が懸念されます。そこでANAではB787に新型エンジン、英ロールス・ロイス製トレント1000の改良型トレント1000-Lを搭載。高高度の空港での離陸に適したチューニングが施されており、メキシコシティから乗客、荷物を満載した状態で飛び立てるそうです。飛行機のエンジンも車のエンジンのようにチューニングがされるというのは初めて聞きました。興味深いですね。
メキシコシティ線就航記念運賃
メキシコシティ線就航を記念して、特別運賃が期間限定で販売されます。販売期間は2016年11月16日から12月25日。特別運賃の設定期間は日本出発分が2017年2月15日から4月15日となります。
設定運賃 | 出発地 | 目的地 | 出発日 | 運賃(往復) |
ビジネスクラス | 東京
大阪 名古屋 |
メキシコシティ | 2月15日から4月15日 | 338,000円~ |
プレミアムエコノミークラス | 198,000円~ | |||
エコノミークラス | 79,000円~ |
その他メキシコ国内各都市へ乗り継いで行く場合にも特別運賃が設定されています。
設定運賃 | 出発地 | 目的地 | 出発日 | 運賃(往復) |
ビジネスクラス | 東京
大阪 名古屋 |
カンクン
アグアスカリエンテス モンテレイ ケレタロ他 |
2月15日から4月15日 | 348,000円~ |
プレミアムエコノミークラス | 208,000円~ | |||
エコノミークラス | 89,000円~ |
1万円追加で乗り継げるのでお得です。メキシコ国内はアエロメヒコまたはインテルジェットによる運航便になります。
参考 JALはアエロメヒコ航空(メキシコ)とコードシェアを開始
3月のカンクン行きをみてみましょう。
これは片道運賃ですので、往復では約11万円になります。メキシコシティからはインテルジェットへの乗り継ぎ便が案内されました。予約クラスはANA便がK、インテルジェットがVです。往復で貯まるマイルは4,200マイルです。
メキシコへ入国し、国内線へ乗り継ぐ形になるので、荷物は一旦受け取らなければいけないかもしれません。
ヒューストンからユナイテッド航空でカンクンへ乗り継ぐ方がトータルでかかる時間は短くなっています。スターアライアンスで通したい場合はこちらのルートが選択されます。ただし、アメリカに一旦入国する必要がありますので、手間と時間がかかります。
ANAは国際線を引き続き拡大
ANAは2015年、2016年と海外就航都市を続々と増やしています。
これまで日本の航空会社は日本国内の旺盛な需要に支えられ成長してきました。羽田ー札幌間の輸送人員が世界一というのは有名な話です。しかし少子化を迎えた日本国内線は縮小傾向。日本国内だけに目を向けていると、企業としての成長は望めません。
シンガポールを拠点とするシンガポール航空や、香港を拠点とするキャセイ・パシフィック、湾岸諸国の航空会社のように、自国路線は皆無という国の航空会社は、国際線、乗り継ぎ客の需要を取り込むことで成長してきました。
日本の航空会社であるANAやJALも遅ればせながら国際線重視、日本からの旅客だけではなく、海外からの旅客を獲得する方針に転換しつつあります。
JALは2017年までは新規路線開設が禁じられています。JALは羽田空港から昼間時間帯に米国路線を飛ばせるようになる2016年10月からの、羽田-ニューヨーク線の就航を断念。2017年3月末から始まる夏ダイヤにも間に合わないため、2017年秋に新規開設を行う予定するなど、経営の手足を縛られている状態です。
その間にANAは羽田からニューヨークとシカゴへの新規就航を決定し、さらに現行のロサンゼルス、ホノルル両線は継続する計画を打ち出しており、先手を打って需要を取り込んでおこうという戦略です。
メキシコへの航空路線需要
メキシコと自動車つながり
メキシコ路線の需要について、新規路線を開設できるほどあるものなのか?と不思議に思われるかもしれません。
メキシコは自動車産業が盛んであり、そのビジネス需要を取り込むこと、さらに中米からアジア各国への乗り継ぎ客を獲得できれば十分に利益を得ることができると考えられています。
ANAからのアナウンスでも、2010年からの5年間で日本による直接投資額は約2.7倍に、日系企業進出数は約2倍になるなど、自動車産業を中心に日本との経済的な結び付きは年々強まっているため、それだけの需要が見込まれるとのことです。
デザインを改革し、生産する車の魅力を高めたマツダも、Mazda de Mexico Vehicle Operationという名称の工場をグアナファト州サラマンカで操業しています。
メキシコのカリブ海リゾート
メキシコ東海岸に広がるカリブ海は中米最大のリゾート地。これまではあまりなじみのなかったカリブ海へのアクセスが良くなれば、日本やアジアからのリゾート客の増加も見込めます。
メキシコの一大リゾート地であるカンクン。カンクン国際空港(CUN)へはメキシコシティ(MEX)から2時間ほどのフライトで到着します。
アエロメヒコによる運航便もあり、料金は2万円ほど。格安航空会社ならメキシコ第2位の規模を持つVolaris(ボラリス)で13,000円ほどで行くことができます。他にインテルジェット(Inter Jet)やビバアエロバス(Viva Aerobus)など数多くの便が就航しています。メキシコシティまで行けば、カンクンに飛ぶ方法には困らないでしょう。
全く関連の無い話ですが、関西国際空港のマスコットキャラクターはカンクンと言います。
メキシコのリゾート地とつながりがあるみたいでちょっとうれしいです。
ANA特典航空券で行くメキシコは何マイル必要?
マイラーなら誰しも考える特典航空券で行くメキシコへの旅。どの程度マイルを貯めればよいのでしょうか?
2016年現在、運航スケジュールも日程も決まっていないので、まだANAサイトで必要マイル数を調べることができません。そこで独自に予想してみました。
2017年2月に検証しましたが、予想通り北米・メキシコゾーンとなりました。
ANA特典航空券はZone制で必要マイル数が決まる
ANA特典航空券はZone制で特典航空券交換に必要なマイル数が決まります。
現在のANA便予約時のZoneを見てみると、
当然、メキシコシティ―は入っていません。
ではスターアライアンス特典航空券予約のZoneはというと、
中南米はZONE9になります。しかしここで注目はZone6。なんとメキシコが含まれているのです。ということは、今後メキシコシティへの特典航空券予約が開始となれば、メキシコシティはZone6に加えられる可能性が高いということです。
ですから、ANA特典航空券予約必要マイル表の北米(Zone6)を見れば、メキシコシティへの特典航空券交換に必要なマイルがわかる、ということですね。
メキシコシティへの特典航空券予約に必要なマイル数は、レギュラーシーズンで考えると、エコノミークラス50,000マイル、ビジネスクラス85,000マイル、ということになります。
実際にエコノミークラスで予約検索してみるとこのとおり。
レギュラーシーズンでエコノミークラス特典航空券は50,000マイル必要でした。
アエロメヒコも2017年3月から増便
アエロメヒコ成田線
2016年現在、成田ーメキシコシティを唯一直行便で運航しているアエロメヒコ航空ですが、2017年春より週7便(毎日運航)に増便することを発表しました。
おそらく、毎日運航するANAに対抗するため、アエロメヒコも増便してきたのでしょう。毎日運航していれば、スケジュールの組みやすさが格段に上がりますからね。
ひとつの都市へ、ひとつの航空会社しか飛んでいないと運賃は高止まりしやすくなりますが、ANAとアエロメヒコの2社が運航することで競争原理が働きます。アエロメヒコの増便は歓迎すべき動きです。
アエロメヒコ 成田-メキシコシティ 運航スケジュール
アエロメヒコ 成田-メキシコシティ線の運航スケジュール(冬季)です。機材はB787型機で、ANAと同じです。
AM57 東京成田 15:25 → メキシコシティ 12:50
AM58 メキシコシティ 00:30 → 東京成田 06:20(翌日)
ANAの運航スケジュールとほぼ同一、数十分の違いしかありません。これはガチンコ勝負です。運賃はエクスペディアでみると、2017年3月の最安値は97,371円(税およびサービス料込107,021円)でした。ANAのキャンペーン運賃の方が安いですが、あくまでキャンペーンですから、通常運賃だとほとんど差は無いかもしれません。
まとめ
2016年ゴールデンウィーク中の輸送実績では、就航路線数を着実に増やしているANAが、JALを上回りました。この勢いを持続するため、さらにメキシコ路線も開設します。日本からカリブ海など中南米へのアクセス向上が期待できますね。
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