提携航空会社をどんどん増やしているJAL。
・ベトナムのLCC、ベトジェット航空と提携
・インド、ビスタラ航空と提携
2017年10月、メキシコのアエロメヒコ航空との提携を発表しました。アエロメヒコはメキシコを本拠地とする航空会社。航空連合はスカイチームに属しており、スカイチーム創立メンバーのひとつです。
ワンワールドに属しているJALですが、このところワンワールド以外の航空会社と積極的に提携を進めています。JALの戦略は『提携先を増やす』にあるようです。
JALはアエロメヒコ航空とコードシェアを開始
2017年10月、JALはアエロメヒコ航空とのコードシェアを開始すると発表しました。コードシェア開始時期は未定ですが、2018年度中に始めるとのこと。
コードシェア対象となるのは、JALの日本国内線および日本-アジア間の路線と、アエロメヒコ航空の成田-メキシコシティ、ロサンゼルス-グアダラハラ、モンテレー、メキシコシティとメキシコ国内各都市を結ぶ路線です。
提携の狙いは、日本からメキシコへのビジネス客需要の高まりと、カリブ海などリゾート、観光地への送客。メキシコからは成田空港乗り継ぎでアジアへ行く顧客の取り込みが図れます。
アエロメヒコ航空はメキシコ直行便の運航を開始したANAと一部路線で提携していましたが、今回の提携を機にANAとは手を切り、JALとの提携を深める方針。ビジネス客重視のANAと、リゾート客も取り込みたいアエロメヒコ航空との間にずれが生じたためとの記事も見られました。
今後JALはアエロメヒコ航空とマイレージ提携、空港ラウンジの共同利用など、提携内容を深化させていく方針とも発表しています。JALマイルでメキシコのカリブ海リゾートへ、というのも実現するかもしれません。
日本からメキシコへ行く方法
2017年10月現在、日本とメキシコを結ぶ直行便を運航しているのはANAとアエロメヒコ航空です。JALは経営破綻前にカナダ・バンクーバー経由でメキシコシティへ就航していましたが、現在は運航していません。
同じワンワールドに属するアメリカン航空便を利用して、ダラス乗り継ぎでメキシコへ飛ぶことはできましたが、今回のアエロメヒコ航空とのコードシェア開始により、より多くの選択肢を提示できるようになります。
ANAはメキシコシティまでは自社便でフライトできますが、メキシコシティから先の移動では、アエロメヒコ航空との提携を失ったため、メキシコのLCC、インテルジェットが運航する便のみ利用できる状況になります。
もっとも、ANAも同じスターアライアンスに属するユナイテッド航空の便を利用して、ロサンゼルスやヒューストン、シカゴからの乗り継ぎで、メキシコ国内各地へ飛ぶことができます。ただ、メキシコシティ線の座席を埋めるためには、メキシコ国内での乗り継ぎも重要であることから、今回のJAL・アエロメヒコ航空の提携は手痛い状況と言えます。
まとめ
JALの提携戦略はおもしろいですね。ワンワールドは加盟する航空会社が他の航空連合に比べて少なく、空白地帯も多くあります。その穴は個別提携で埋めていき、顧客利便性を高める努力を行っています。
ANAは自社便で飛ばせるところはどんどん飛ばしていく、拡大路線を取り就航先を増やしてきました。
コストやリスクが少ないのは、提携先を増やす戦略。儲けが大きくなるのは自社便を飛ばす戦略。この戦略の違いが今後の両社の経営にどのように影響してくるのか、とても興味深いです。
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