大阪空港(伊丹空港)滑走路が一望でき、離着陸する航空機を撮影できるスポット、千里川土手で夜間撮影をしました。滑走路の灯火が美しくきらめく、夜景撮影スポットでもあります。
とにかく過酷な環境のため、必要な装備とか、機材とか、自分用の覚書のためにも記事にしておきます。
千里川土手とは
千里川土手(堤防)は大阪空港滑走路の南東側を流れる千里川の、文字通り土手(堤防)です。滑走路に隣接しているため、滑走路を一望でき、着陸する飛行機が頭上を通過します。
頭上をあっという間に通り過ぎる飛行機はまさに迫力満点。テレビ番組やGoogleのCMでも紹介され、とても人気のあるスポットです。
上の写真左側に滑走路があります。人が集まっている付近まで行くとこんな感じです。
滑走路がよく見えますね。よく見るとパンダさんもいます。向こう側の土手の方が滑走路に近いので、より飛行機が大きく見えます。ただし、滑走路との間にあるフェンスは結構高いので、その上を越して写真を撮るには踏み台が必要な場合もあります。
私が写真を撮っている側の土手からは滑走路が遠くなりますが、こちら側の土手は一段高く、川との間のフェンスは低いので写真は撮りやすい印象です。
千里川土手へのアクセス
千里川土手へは車で移動が一番
千里川土手へ向かうには、車での移動一択です。
最寄り駅は無く、阪急宝塚線曽根駅が最も近いですが徒歩で約20分。季節の良い時はいいですが、暑い夏や寒い冬の時期は辛いですね。写真を撮るために重い機材を持っている場合はなおのことです。
以前は車でアクセスしても駐車スペースに困ったのですが、2016年ごろに付近にコインパーキングができ、車でのアクセスが飛躍的に向上しました。
千里川土手周辺のコインパーキング(駐車場)
千里川土手周辺には3か所のコインパーキングがあります。いずれの駐車場も土手へのアクセスは良好です。地図でみるとこのような位置にあります。
3か所の駐車料金を比較してもほとんど変わりません。
駐車時間 | 30分 | 40分 | 60分 | 80分 | 100分 | 120分 |
タイムズ | 200円 | 200円 | 400円 | 400円 | 400円 | 600円 |
オリックス | 200円 | 200円 | 300円 | 400円 | 500円 | 600円 |
リパーク | 200円 | 200円 | 400円 | 400円 | 400円 | 600円 |
タイムズ豊中勝部1丁目
最初にできたコインパーキングです。千里川土手の北東に位置します。
車を止めたあとは上記地図上1番の橋を目指して歩きましょう。大きな防音壁があるので最初は空港が見えませんが、川沿いに歩くと見晴らしの良い場所に出ます。
千里川土手の知名度が上がってからは、とくに土日の駐車場の空きが厳しくなりました。タイムズ駐車場はネットで空き状況が分かるので調べてから向かうといいですよ。
第1、第2、第3とありますが、第3は少し離れます。
タイムズ勝部1丁目第1駐車場 駐車料金 | |
駐車後24時間最大料金 | 600円 |
40分 | 200円 |
オリックスパーキングスポット千里川土手
その名も”千里川土手”とネーミングしてきました、タイムズよりも千里川土手に近いコインパーキングです。片側1車線の走りやすい道路沿いにあるので、初めての方でも迷わず着けると思います。
ネットで空き状況を調べることができないのは残念ですが、開業以来大盛況だったためか拡張されました。
全収容台数64台とかなり広いのですが、それでも休日の夕方には満車になることもあります。さらに値上げもされました。以前は24時間最大料金が600円でしたが、700円に改定されました。
タイムズ駐車場よりも最大料金が100円高くなっています。夜中は安くなりますが、伊丹空港のクローズ時間と重なるので飛行機は飛んできません。利便性をとるか、料金をとるか、ですね。
オリックスパーキングスポット千里川土手 駐車料金 | |
駐車後24時間最大料金 | 700円 |
7時~21時 20分 | 100円 |
21時~7時 60分 | 100円 |
駐車場から千里川土手までは、車で走ってきた道を地図上2番の橋に向かっていけばすぐです。
リパーク豊中原田中1丁目
位置的にはタイムズ駐車場寄りにあるコインパーキングです。タイムズ駐車場へ向かう道からさらにもう一本入ったところにあるので若干わかりにくいのが難点。工場の駐車場の一部がコインパーキングになったようです。
全収容台数は8台と多くありませんが、他の2か所が満車の場合でも穴場的に空いている可能性あり。ネットで空車状況がわかります。
リパーク豊中原田中1丁目 駐車料金 | |
駐車後24時間最大料金 | 600円 |
8時~20時 40分 | 200円 |
20時~8時 60分 | 100円 |
駐車場から千里川土手へは、地図上1番の橋に向かって歩いてください。タイムズ駐車場と時間的な差はないと思います。
千里川土手、前から見るか?後ろから撮るか?
千里川土手は川の両岸から飛行機を見ることができるスポットです。空港側に近い土手を前、空港側から離れた土手を後ろ、とした場合どちらのスポットに行くのがよいでしょうか?
飛行機ウォッチングができるスポットと川を渡れる橋とは少し離れています。時間があれば前、後ろと回遊してもよいのですが、ちょっと面倒です。
私のお勧めは、飛行機を見るのなら前、撮影するのなら後ろ、です。
千里川の川幅は大したことはありませんが、見るだけであれば少しでも空港に近い方が迫力が増します。ビデオ撮影も楽しいですよ。スマホでも十分です。
逆に撮影をしたいのであれば後ろの方が落ち着いて撮影できます。後ろの土手が撮影に向く理由は、人通りとフェンスです。滑走路側(土手・前)から撮影した写真をご覧ください。
滑走路の前にはフェンスがあります。侵入者を防ぐために当たり前の設備ですね。このフェンスに近づくと空港警備の人が飛んでくるのでやめましょう。このフェンスを越えて写真を撮らなければいけませんが、どうしても滑走路とフェンス上端がかぶってしまします。望遠でとらえた写真では白いフェンスが画面下に写っていますね。脚立があればこの問題をクリアできるので、持っている人は持参するといいでしょう。
次に人通りです。4枚目の写真、左手が滑走路です。写真を撮る人は右側の川沿いのフェンスに沿って立っています。その方が少し位置が高くなりフェンス越しに撮影しやすいのです。道行く人はその前を歩く、つまりカメラと滑走路の間を歩く形になります。お互いに少し遠慮してしまいますね。
ところが、後ろ側の土手の方は前側に比べてちょっと高くなっています。そのため滑走路のフェンスを越えて撮影がしやすくなります。さらに後ろ側の土手からは、撮影者は川に面したフェンス(一段低くなっているので撮影の邪魔にはなりません)に沿って立つので前を人が横切ることはありません。
最初に掲載した写真ですが、画面中央のフェンス前に立つイメージです。
夜間撮影では大型の三脚を立てるので、通行する人の邪魔にならず、気持ちよく撮影したいですよね。川幅の分、レンズの望遠が必要になりますが 後ろ側の土手の方がおすすめです。
夜間飛行機撮影は秋から冬にかけての時期が良い理由
夜間飛行機撮影は夏よりも冬の方が向いています。
冬の方が暮れるのが早い
夏は19時ごろまで明るいですが、冬は17時ごろには暗くなります。大阪空港の門限は21時です。21時以降は飛行機は離発着しません。暗くなる時刻が早い方が、より長い時間撮影を楽しめるわけです。
冬の方が空気が澄んでいる
冬の方が空気のよどみが少なくなります。飛行機撮影は望遠レンズで遠くから撮影することが多くなるので、空気の澄んでいる冬の方がきれいな写真が撮れます。
そんな理由で、冬の方が夜間飛行機撮影に向いているのですが、その分、装備に注意が必要です。
夜間飛行機撮影(冬)に必要な装備
冬場の撮影はとにかく寒さ対策が重要です。
千里川土手は滑走路が間近なため、飛行機の着陸に邪魔になるようなものは何もありません。つまり吹きっさらし。風の無い日でも、飛行機の通り過ぎた後には強い風が吹きます。撮影時はじっとしているため、体も冷えやすく、寒さ対策を万全にして撮影に臨みましょう。
防寒対策にユニクロで装備を調達しました。
下着には極暖、超極暖のヒートテック。靴下もヒートテック。登山のように汗をかく場合、ヒートテックは汗を吸わないので不向きですが、千里川土手で撮影するにはちょうどいい装備です。
風対策も必須。風のある日にはどんどん体温を奪われてしまいます。今回は防風機能 BLOCKTECKを備えた、暖パンを履いて臨みました。
これはいいですね、風を通さないので寒さが違います。上着もゴアテックス素材のものを着用し、風対策も万全にしました。
手先の保護のために手袋も必須。撮影用グローブにしないと、カメラの設定など細かい作業に困りますので注意。かじかんだ指先を温めるために携帯用カイロも持参しましょう。耳まで覆えるニット帽があれば、かなり寒さが違います。耳まで覆うのがポイントです。
滑走路の光があるので、真っ暗にはなりませんが、懐中電灯もあった方がいいですね。首から下げるタイプは、両手を使って作業できるので便利です。
夜間飛行機撮影に必要な機材
カメラとレンズ
どんなものでもいいと思いますが、高感度に強く、望遠レンズが使用できるものが望ましいです。千里川土手からは、200㎜の望遠レンズでもちょっと足りないぐらい。できれば300㎜以上あればいいですね。
広角レンズもあるとより写真の幅が広がります。
スマホのカメラでも撮影できるの?
スマホのカメラでも撮影はできます。でも千里川土手から滑走路までの距離は肉眼で見るより、写真に撮ってみるとかなりあることに気が付きます。望遠レンズが使用できないスマホのカメラでは着陸する飛行機は撮影できますが、離陸する飛行機は撮影できないと考えた方が良いでしょう。夜間撮影はまず無理です。
着陸する飛行機をスマホでビデオ撮影するのは大丈夫です。うまく飛行機をとらえられれば迫力ある動画が撮影できます。
三脚
夜間撮影には必須のアイテムです。
夜間撮影では、シャッター速度を遅めにする必要がありますが、その分手振れを起こしやすくなります。手振れを防ぐには、三脚でしっかりと固定しましょう。
三脚も軽いものでは風が吹くと揺れてしまうのでイマイチです。またフェンスを越えて写真を撮るためには、三脚の高さも必要です。手前の土手から撮影しようと思うと、三脚の高さは160cmでも足りないくらいでした。ところどころ、フェンスの上部が破れているところや、足元の土手が高くなっているところがあるので、そういったところを探して撮影すると、三脚の高さが足りない場合でも撮影できます。
高さがあまり稼げない三脚の場合は、あえて奥側の土手から撮影するほうがいいかもしれません。
というわけで、高さが稼げて、足の太いジッツオのシステマティック三脚を用意しました。
5型4段 GT5543XLSです。最大伸高198cm。天井の低い部屋では、天井にあたってしまうほどの高さなので、
脚立が必須です。
システマティック三脚には雲台が付属していないので、雲台も必要です。いろいろと悩んだ結果、鳥撮影にも使われるビデオ雲台をチョイス。Manfrotto プロフルードビデオ雲台 75mm 504HDです。
カメラを固定するとこんな感じ。
おぉ、なんかプロみたい。ちなみにこの時は三脚を三段目までしか伸ばしていません。四段目まで伸ばすと高すぎて撮影しにくいので。三段目でも十分にフェンス越えで撮影できました。前に立っている人の頭上を飛び越えて撮影したい場合はフルに4段目まで伸ばせば可能です。
さすが、ジッツオ最強と呼ばれる5型三脚です。飛行機が通り過ぎても(風が吹き荒れます)ピクリとも動きませんでした。
レリーズ
どんなにカメラをしっかりと固定しても、撮影時にシャッターボタンを押すと揺れてしまう恐れがあります。そこでカメラに直接触れずに撮影できるレリーズがあると便利です。
最近はスマホのアプリで撮影できるカメラもありますね。
千里川土手で飛行機撮影
千里川土手から飛行機を撮影しましょう。
広角(この写真は魚眼レンズですが)で写すと、頭上を通り過ぎる飛行機全体を撮影できます。
次第に暗くなってきました。飛行機のライトがアクセントになります。
滑走路の灯火が点灯すると、いよいよ夜間撮影スタートです。
機体のおなかに滑走路の明かりが反射してとてもきれいです。この映り込む感じが大好きです。
いよいよ真っ暗になってきました。飛来する飛行機を写し止めるには、シャッタースピードが1/125から1/200ぐらいは必要です。明るいレンズがあると撮影しやすいです。ライトが強烈なので、ゴーストが発生しています。
着陸する飛行機も時速は200kmを超えています。あっという間に頭上を飛び去るのでとにかく連射。
連射してると、たまにアンチコリジョンライトが写って、ちょっとうれしくなります。
離陸直前の飛行機を長秒露光で狙いたいのですが、なかなか止まってくれません。
こればかりは、何度も通ってチャンスを伺うしかないですね。
滑走路侵入前なら、止まってくれる飛行機は結構あります。着陸機を待つ場合ですね。
夢中で撮影していると、あっという間に時間が過ぎていきました。この日撮影した枚数は700枚強。そのうち、マシだったのは数枚にとどまります。まだまだ修行が必要です。
夜間撮影は安全なの?
街灯もない、真っ暗な中での撮影。治安が気になりますよね。この日は日曜日でしたが、真っ暗になってもこんな具合です。
結構お仲間がたくさんいます。ひとり寂しく撮影、ということは無いので安心してください。ただし、貴重品やカメラ、レンズの管理は厳重にしましょう。
まとめ
夜間飛行機撮影はめちゃくちゃ楽しいです。寒さに震えながらでも、思うような一枚が撮れたら最高です。まだまだそんな写真は撮れていないので、千里川土手に通いたいですね。
なかなか時間も取れないのが残念です。
コメント
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詳細な情報をありがとうございます。
今日スカイパークに撮影に行ったのですが、この情報を事前に知っていたらと思いました。
参考にして、またチャレンジしたいと思います。
古川さま、コメントありがとうございます。
事前にお役に立てず残念でしたが、次回のチャレンジに生かしていただけると嬉しいです。