JALとハワイアン航空は2017年秋、コードシェア、マイレージを含めた包括提携を開始すると発表。提携は2018年夏季スケジュールが始まる2018年3月25日(日)から開始。さらにマイレージ提携を2018年10月から開始します。
ANAとの提携はJALとの提携に伴って解消されました。
ハワイアン航空とANAはハワイ諸島内のフライトに限り提携する関係でしたが、JALとは日本-ハワイ諸島間のフライトを含む、幅広い提携となります。
JALの牙城、ハワイに切り込みをかけているANAですが、ハワイアン航空というパートナーを失った痛手を取り返せるでしょうか。
JALとハワイアン航空が包括提携
包括提携=いろいろと協力して行いましょう、ということですね。これには、コードシェアフライトの実施、さらに踏み込んで共同事業の開始、JALパックでハワイアン航空を利用できるようにし、お互いのマイレージサービスで提携、ラウンジを共同利用、さらにハワイアン航空は成田空港で利用するターミナルを、JALが利用する第2ターミナルに2018年夏スケジュールから変更しました。
コードシェアと共同事業
コードシェアはお互いが運航する便に、相手側の便名も付けちゃうやつです。ハワイアン航空が運航するJAL便、JALが運航するハワイアン航空便というのができます。この場合、運賃は自社便よりも高くなることが多いので、利用者にはそれほどメリットはありません。
さらに踏み込んだ共同事業となると、お互いの便を一緒に販売していくので、JALでハワイアン航空運航便のチケットを取っても、ハワイアン航空でハワイアン航空運航便のチケットを取っても、同じ運賃になり、利用者には単純に選択肢が増え、メリット大となります。
ANAは同じスターアライアンスのユナイテッド航空や、ルフトハンザドイツ航空と共同事業を行っていますし、JALは同じワンワールドアライアンスのアメリカン航空やブリティッシュエアウェイズと共同事業を展開しています。
アライアンスに属さないハワイアン航空と共同事業を行うとなると、かなり踏み込んだ提携になります。
JALとハワイアン航空は2018年6月18日、国土交通省と米国運輸省(DOT)に対して日本/ハワイ線における独占禁止法適用除外(ATI)を申請しました。既に東京/ホノルル間のチケットを検索するとこんな感じですが、
東京発は成田、羽田を合わせて7便から選択できます。特にJALは羽田空港発着枠の兼ね合いで、羽田発着のハワイ路線から撤退しているのでハワイアン航空路線を販売できるのは大きいですね。
2018年3月、まずはコードシェアから
JALとハワイアン航空のコードシェアは、お互いの日本ーハワイ間を結ぶ便と、ハワイアン航空のハワイ域内線、JALの日本国内線、JALの日本ーアジア間を結ぶ路線で開始されました。
HA(ハワイアン航空)運航便
成田=ホノルル、羽田=ホノルル・コナ、関西=ホノルル、新千歳=ホノルル
ホノルル=ヒロ・リフエ・カフルイ・コナ、コナ=カフルイ・リフエ
JAL運航便
成田=ホノルル・コナ、関西=ホノルル、中部=ホノルル
日本国内線各線
羽田=シンガポール・ホーチミンシティ、成田=シンガポール・クアラルンプール・ジャカルタ・ハノイ・ホーチミンシティ・台北・高雄・グアム・プサン、関西=台北、中部=台北
ラウンジ相互利用の開始
2018年3月からは、JAL、ハワイアン航空のラウンジが相互に利用できるようになりました。
ホノルル: HAが運営するプルメリアラウンジまたはプレミアクラブ
成田国際空港:JALサクララウンジ
東京国際空港(羽田):JALサクララウンジなど
関西国際空港:JALサクララウンジなど
新千歳空港:ロイヤルラウンジ
中部国際空港:JALサクララウンジ
※ハワイにおけるホノルル以外の空港ではラウンジは利用できません
ホノルルでプルメリアラウンジが利用できるのはうれしいですね。
JAL上級会員資格はハワイアン航空運航便では適応されません
JALとハワイアン航空の提携では、JAL上級会員資格(JMBダイヤモンド、JGCプレミア、JMBサファイア、JALグローバルクラブ会員)を所有していても、ハワイアン航空運航便では、専用カウンターの利用、受託手荷物無料許容量の優待、手荷物の優先取扱いサービスは受けられません。
JALマイレージ修行をしてJMBサファイア、JGC資格を取得しても、ハワイアン航空搭乗時には考慮されません。ちょっと残念。
JALパックでの提携
JALパックはJAL運航便を利用したツアーを組むのが一般的ですが、ハワイアン航空運航便も利用できます。日本各地からハワイ就航しているハワイアン航空が利用できるので、地方からハワイへますます飛びやすくなります。
またこんな風にカウアイ島へのツアーなども組みやすく。
カウアイ島へは直行便が就航していませんので、ホノルルでの乗り継ぎが必要です。ハワイ諸島間のフライトが充実しているハワイアン航空利用なら乗り継ぎもスムーズ。
成田・羽田からしかハワイ便を飛ばしていないANAにはかなり痛いですね。
マイレージ提携
マイレージ提携は、陸マイラーがとっても希望するものです。ハワイアン航空に乗って、JALマイルが貯められ、さらにJALマイルを貯めればハワイアン航空の特典航空券を予約できるようになるからです。JALマイルの貯めやすさ、使いやすさが一気にアップします。
ハワイアン航空特典航空券に必要なJALマイル
ハワイアン航空特典航空券(往復)に必要なJALマイル数は以下の表になります。2018年11月20日から、JAL提携航空会社の必要マイル数が変更になります。こちらは変更後のマイル数です。
エコノミークラス
総旅程距離(マイル) | 特典航空券必要マイル数 | 航空券例 |
1~1,000 | 12,000 | ホノルル-ハワイ島(コナ)、カウアイ島(リフエ)、マウイ島(カフルイ) |
1,001~2,000 | 15,000 | |
2,001~4,000 | 23,000 | |
4,001~6,000 | 37,000 | ホノルル-タヒチ(パペーテ) |
6,001~8,000 | 45,000 | 札幌(新千歳)-ホノルル-カウアイ島、マウイ島 |
8,001~10,000 | 47,000 | 東京(羽田・成田)/大阪(関西)/名古屋-ホノルル-カウアイ島、マウイ島、ホノルル-ブリスベン、ホノルル-オークランド |
10,001~12,000 | 50,000 | ホノルル-シドニー |
12,001~14,000 | 55,000 | 東京(羽田・成田)/大阪(関西)/名古屋-ホノルル-タヒチ |
14,001~20,000 | 70,000 | 東京(羽田・成田)/大阪(関西)/名古屋-ホノルル-オークランド |
20,001~25,000 | 90,000 | |
25,001~29,000 | 110,000 | |
29,001~34,000 | 130,000 | |
34,001~50,000 | 150,000 |
ビジネスクラス
総旅程距離(マイル) | 特典航空券必要マイル数 | 航空券例 |
1~1,000 | 24,000 | ホノルル-ハワイ島(コナ)、カウアイ島(リフエ)、マウイ島(カフルイ) |
1,001~2,000 | 30,000 | |
2,001~4,000 | 42,000 | |
4,001~6,000 | 60,000 | ホノルル-タヒチ(パペーテ) |
6,001~8,000 | 80,000 | 札幌(新千歳)-ホノルル-カウアイ島、マウイ島 |
8,001~10,000 | 85,000 | 東京(羽田・成田)/大阪(関西)/名古屋-ホノルル-カウアイ島、マウイ島、ホノルル-ブリスベン、ホノルル-オークランド |
10,001~12,000 | 100,000 | ホノルル-シドニー |
12,001~14,000 | 110,000 | 東京(羽田・成田)/大阪(関西)/名古屋-ホノルル-タヒチ |
14,001~20,000 | 130,000 | 東京(羽田・成田)/大阪(関西)/名古屋-ホノルル-オークランド |
20,001~25,000 | 145,000 | |
25,001~29,000 | 160,000 | |
29,001~34,000 | 190,000 | |
34,001~50,000 | 210,000 |
ハワイ諸島間はおおむね12,000マイルで往復移動が可能です。日本からハワイ間はエコノミー47,000マイル、ビジネス85,000マイル必要。面白いのが札幌発で、ちょっと少ないマイルで飛べるんですね。
さらにホノルル乗り継ぎでタヒチへもアクセスできます。タヒチ旅行の特典航空券をJALマイルで予約する、なんてことも可能です。
ハワイアン航空特典航空券の予約方法
JALマイルを使用した、ハワイアン航空特典航空券予約は2018年10月から開始。
搭乗日の330日前10時から予約受付は開始となります。
うれしいことに、ハワイアン航空特典航空券はJALホームページから予約可能。JALサイトからの予約は第一区間の出発48時間前まで受け付け。JALコールセンターでは出発の24時間前まで受け付けています。
1回の特典航空券予約で可能な旅行区間は4区間まで、うちハワイ諸島内は2区間までとなります。日本-ホノルル-ハワイ諸島-ホノルル-日本という旅程は4区間、ハワイ諸島内2区間のため予約できます。
ハワイアン航空特典航空券は、片道でも予約できるのがうれしいですね。
江戸の敵を長崎で討つ
今回のハワイアン航空をめぐる提携とは逆の提携が、ベトナム航空をめぐって起こっていました。長年ベトナム航空と提携してきたJALですが、ベトナム航空に出資したANAに提携先を奪われてしまったのです。
ベトナム航空は日本とベトナムを結ぶ便を多数運航していますが、JALはこれらの便に食い込めなくなり、かなり手痛い損失を被った模様。ANAマイルは利用しやすくなりました。
今回はANAと提携していたハワイアン航空をJALが奪った形になりますが、実はハワイアン航空側からJALにラブコールを送ったのだそうです。ANAは同じスターアライアンスのユナイテッド航空と共同事業を行っており、ユナイテッドが運航する成田-ホノルル路線に遠慮して、ハワイアン航空と深い提携はできませんでした。しかしJALは同じワンワールドアライアンスのアメリカン航空が、日本-ハワイ間に就航していないため、ハワイアン航空と自由に提携できたようです。
ANAとはハワイ諸島間の路線でコードシェア等実施されていましたが、この提携は解除される予定。これからハワイ路線を拡大していこうとするANAにとって、ホノルルからの乗り継ぎで提携がされないのは大きな損失です。また東京以外の地方発ハワイ行きをANAは運航していないので、地方発の乗客をJALとハワイアン航空に完全に奪われる形になります。
ANAはA380をハワイ路線に就航させる予定ですが、この失点を奪い返せるでしょうか。
ANAのハワイ路線は成田から2便、羽田から1便の3便しかありません。成田からのユナイテッド航空便を含めても4便。
これに対してJALは羽田からの便は無くなりましたが(ニューヨーク線に振り替え)、成田から成田から5便(1便はコナ行き)、関西から1便、中部から1便の合計7便。ここにハワイアン航空の成田1便、羽田2便(1便はコナ行き)、関西から1便、新千歳から1便(週3便)の5便が加わると、JAL-ハワイアン航空連合で12便もハワイへ向けて飛んでいくわけです。この差は大きいですよね。
しかもホノルルからハワイ島やほかの島へ飛ぶ便は、ハワイアン航空に頼らざるを得ませんが、そこも奪われてしまうとなると、、、うーっ。
まとめ
JALとハワイアン航空の提携のニュースにはかなり驚かされました。
JALはANAと提携しているガルーダ・インドネシア航空とも提携。今後、ANAとJAL間で提携航空会社をめぐる争いが激しくなりそうです。アライアンスに属していない日本就航航空会社はどこが残っているでしょうか?
JALマイルの貯め方はこちら
コメント
独り言になりますが・・・
提携後は、ハワイアンエアラインズVISAカードで貯めたハワイアン航空のマイルをJALの無料航空券に変えれるように是非ともお願いいたします。
ネットで予約・キャンセルが出来、マイル数も「イギリスBAからJAL無料航空券」と同じ位で是非ともお願いします(笑)
waku-wakuさん、こんにちは。
そのご提案、いいですね〜。
是非とも利便性のよい提携をお願いしたいです。
[…] 参考 ハワイアン航空はANAからJALに鞍替え […]